Baloon in the Sky
1992年秋に出した本「Baloon in the Sky」の表紙です。 出産を間近に控えたカオルが、いつものように定期検診に行くと、超音波診断 にうつっているはずの赤ん坊がいなくなっていた。医者には機械の故障ですませ られるが、その夜彼女は夢の中で「天使」に告げられる。赤ん坊はさらわれたの だ、と。 それからカオルと「天使」の赤ん坊を探す旅がはじまる。旅をする異世界は、 実はカオルの子宮を中心に裏返しになった、無限に広がる世界だ。だが、やっと 見つけた途端、「悪魔」の教育を受けた赤ん坊を、「天使」は殺せと言うのだ。 カオルは・・ このマンガは、自分の出産前後の迷いを、ファンタジーの道具立てで大風呂敷 を広げまくってかいてます。おかげでいつもテーマが未消化な私のマンガの中で も未消化度が最も高いものになってしまってますが、今読んでみると、自分が当 時どんなに「産むこと」に「意味」を求めていたかはわかります。 このイラストの、堂々とした妊婦が表紙なのですが、裏表紙には、異世界を旅 する時の、変身したカオルが描かれています。自由で身軽で孤独で、つめたいハ サミをもった、 もう一人のカオル 。 |