カラク採り

猛烈に甘いカラクの実は初夏のちょっとしたボーナスだ。
息つくひまもない農作業が落ち着くころそれは断崖の上で実をつける。
テリトリーを乱されたエンジリュウがさわいでいる。
実を目当てにやってくる生き物を打ち落としてやろうと思っていたが
今年は風車クラゲばかり。リュウは減りすぎたので今は獲れない。
対岸はエデの土地だ。あの人が来ていないかつい目を凝らしたが
いるはずもない。彼女はいつも反対側の砂漠を見ているのだから。


2002.5.9